
無償で演奏活動する事について考える。
音楽と言うのは切ない事に世間一般では遊びの延長線上で捉えられている場合が多く有ります。
Jazzの演奏って演奏会場に行ってその場で適当に即興演奏して帰るだけでしょ?
楽しく演奏して、お客さんに喜んで貰って、褒めて貰って、良い事ばっかりなんだから、ギャラがどうのこうのとか言わずに無料でやっても良いじゃない。
自分が楽しんどいて、お金貰おうなんてねぇ。
と、このように捕える方は世間に沢山いらっしゃいます。
ミュージシャンがいっぱしの演奏できるようになるまでに、どれだけコストをかけて努力して来たかなんか全く頭にないわけですね。
でも、こういう人に悪気は無いのです。
無料で便利に使ってやろうとか考えているわけでは無く、その辺りの背景を知らないだけなので、考えようによっては声掛けてくれるだけ支援者と言う考えも有るとは思います。
最近はあまりないですが、演奏活動やってると、無償の演奏依頼が来るときがあります。
自分の知り合いが集まるパーティーでバンドで演奏してくれませんか?
演奏の合間に、サービスでお食事を出します。
もう、この時点で依頼してる人は、演奏の機会を作ってあげて、なおかつ飯も食わしてやると言ってるんだから、喜ぶだろうと思ってたりする訳ですね。
そこで、ギャラの話に成ると突然、お金が必要なんですか?
無料じゃないんですか?
と、言いだしたりします。
他の業種だったら、考えられない事態です。
農家の人に「農作物を作る喜びを感じながら農作業をしてるんだから、出来た野菜を無料でください」っていう人は居ない訳です。
なぜ無料で演奏を依頼される事が無くならないのかと言えば、無料で演奏する人が居る。また、無料で演奏するケースがあるというのが背景的に有りますね。
あの人は無料で演奏してるのに、あなたはお金を欲しがるの?
と思われるケースも無くも無いでしょう。
お金に関する話では、こんなのも書いてるので、興味がある人は覗いてみてください。
「2026-05-23(土) ミュージシャンにおけるプロとアマチュアの違いについて考える」
無料で演奏するケースについて演奏者の立場から考えてみましょう。
・純粋にボランティアで協力する場合
知り合いのイベントで演奏するとかで、いわゆる友情出演系のやつですね。
お店のパーティーで演奏する場合でも、普段から懇意にしているお店や施設の大切なイベントで演奏するというのも良くあるパターンだと思います。
特に何か問題になるケースでもないけど結果的に無償だったという奴ですね。
・結果的に無償になっちゃったケース
残念ながらライブ出演したものの、お客さんが来なかった結果、ライブチャージ等の収入は無しだった場合で、出演料に関して最低保証が無いケースの場合は、無償で演奏する事に成りますね。
お客さんが居なかったら、そもそも演奏しないとは思いますが、しようがしまいがお客さんいなかったら収入無いので無償な訳です。
これは、状況的にやむなしのケースです。
さて、問題なのは、こんなケースです。
主催者又はリーダーが誰を使おうかと費用面も含んで検討している時に、私なら無料で演奏しますから出演させてください的な交渉を行うことです。
演奏者としては、報酬も勿論ですが演奏する機会を得るというのも大切な事なので、無償でも出演したいという気持ちは理解出来るのですが、これはあまり褒められた行動では無いと思います。
例えて言えば、米屋さんの店先で米をタダで配ってるような感じですね。
自分自身は別に無償演奏に成っても生活に困って無いからとはいえ、本来なら、他の演奏者が幾らか報酬を得て出演する機会を奪ってしまう事に成る訳ですから、いわば営業妨害ですよね。
米屋さんに例えると・・・
コシヒカリ5kg:5,000円
輸入米5kg:3,000円
で販売している場合、お客さんは品質と財布と相談しながらどちらを買うか検討する訳ですが、米屋さんの入り口に立って、味の保証はしませんが、タダでこの米いかがですかって売込みしてるようなもんですね。
まあ、品質にこだわってる訳じゃないので、タダの方にしましょうと成ると、コシヒカリも輸入米も売れ残って、最悪の場合は廃棄ですね。
仮に自分の米に3,000円で値付けしているとしたら、この3,000円と輸入米の3,000円なら、輸入米の方がよさそうだとか、判断が働いたうえで購入を決定されると思いますが、無償提供は、この辺りについてもなし崩しにしてしまいます。
そして、あの人は無償でやってくれたのにに繋がって、演奏者全員の演奏機会を奪ったり報酬の相場を引き下げたりの悪循環に入っていくわけですね。
適正な報酬設定と言うのも難しい話ですが、ダンピングはやめましょうというお話でした。
良い演奏を出来るようになって自分の価値を高めて、聞いてくれた人に満足感を持って貰えるように演奏者としては努力して、変な値下げ競争には入っていかないようにしたいものですね。
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